2009年11月20日金曜日

路網と搬出路

高密度路網や低コスト路網、○○式路網というキーワードが最近使われている。
国有林の言葉として、林道・作業道・搬出路があるが、高密度路網はどこにあてはまるのか。
10年に1回間伐で使う搬出路も路網?


自分の管内では搬出路が使い終わったら水切りをして、枝条をある程度散らして搬出路が原因となる林地崩壊が起きないようにしている。
搬出路を5年も放っておくと笹や雑草が生え、人が歩くのも容易ではなくなります。
数年ごとに草刈なり重機を入れるなりして、搬出路を維持するべきなのか。


低コスト路網は路面の洗掘や崩壊が起きにくいと思うが、草が生えたら刈らなくてはいけない。
自分が管理する森林で天然林以外の単層林を集計したら5000haありました。
その全部に100m/haの路網を入れると仮定すると総延長は500km。


今ある林道+作業道が160km。
この維持でも結構大変なので、プラス500kmも増えたら維持管理にどれだけコストがかかるのか。


林道から微妙に遠い昭和30年植栽、昭和63年間伐の人工林があります。
20年も経つと、搬出路がどこにあったのか分かりにくくなります。
じっくり歩けば跡が分かると思うので、時間がある時に踏査しなくては。


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風倒木処理の皆伐地で、搬出路部分まで苗木を植える必要があるのか?(保安林的な植生回復ではなく、林業コストとして)
今の林業の常識では隙間無く植えるのが当たり前になっているような気がする。
林地全体の木の成長量を考えるとギッチリと苗木を植えたほうが良いが、結局道を作るので搬出路上の木は伐られる。


初回間伐時に搬出路に立っている間伐木を売り払った収入 - 間伐木搬出コスト - 搬出路作設コストは、苗木を植えないで搬出路を作ったときに比べてプラスなのかマイナスなのか。


新植の時点で、間伐や主伐を考えて道をつけておく。
初回間伐まで約30年、主伐までは60年以上かかる。
それほど長い間道を維持できるのか分からないが、ひとつの考え方としてコストを比較検証する必要があるのではないか。


現在の材価、苗木価格、人件費、搬出路作設費用などの要素をもとにして、誰か試算して欲しい。
また、海外ではどっちが常識になっているのかを知りたい。



1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

高密度路網や低コスト路網、○○式路網というキーワードが最近使われている。
国有林の言葉として、林道・作業道・搬出路があるが、高密度路網はどこにあてはまるのか。10年に1回間伐で使う搬出路も路網?
→ 従来、森林・林業関係用語ではっきりと定義されていたのは「林道」と「作業道」のみでした。その他の道は集材路、搬出路などと呼ばれ、まったくの一時的な施設として認識されておりました。しかしながら、いわゆる四万十式に代表される、簡易ではあるが継続的な使用も可能な道が出現したこと等を受けて、平成18年頃から「作業路」という言葉が林野庁内で使われるようになり、現在は、民有林・国有林とも「林道」、「作業道」、「作業路」を組み合わせて「路網」を構成する、という認識となっています。ちなみに林道と作業道は自動車が走行できる道ですが、作業路は高性能林業機械の通行が可能であれば十分とされています。
自分の管内では搬出路が使い終わったら水切りをして、枝条をある程度散らして搬出路が原因となる林地崩壊が起きないようにしている。
→ それが適切でしょう。いわゆる四万十式の場合は、水切りではなく路体の縦断勾配・横断勾配を適切にすることによって面で排水するようにしています。作業終了後に重機で深さ50cm、幅50cm程度の大きな水切りを多数作設するケースもあります。
搬出路を5年も放っておくと笹や雑草が生え、人が歩くのも容易ではなくなります。
数年ごとに草刈なり重機を入れるなりして、搬出路を維持するべきなのか。
→ 路床が残っていればよいので、維持は必要ありません。
そもそも搬出路部分まで苗木を植える必要があるのか?
→ 保安林内作業許可の条件によります。作業路を将来的にも利用するつもりであれば、実際に維持しているかどうかは別にして、保安林内作業許可を継続しておくことが必要です。その場合は当然、苗木を植える必要はありません。作業許可が切れた状態になれば、当然、苗木を植えることが必要になります。
今までの林業の常識では隙間無く植えるのが当たり前になっているような気がする。
林地全体の木の成長量を考えるとギッチリと苗木を植えたほうが良いが、結局道を作るので搬出路上の木は伐られる。
→ 林齢が50年くらいとなれば残存本数は数百本以下ですし、その場合は立木の間隔は数メートル程度となります。作業路は、この間隔の中に入ってしまうべきものであり、したがって、ここに樹木を植えなくても生産力は落ちないでしょう。ただし、作業路の作設にあたって無神経に伐開幅を広げてはだめです。
初回間伐時に搬出路に立っている間伐木を売り払った収入 - 間伐木搬出コスト - 搬出路作設コストは、苗木を植えないで搬出路を作ったときに比べてプラスなのかマイナスなのか。
→ コストの問題ではありません。簡易な作業路というものは、その時の状況に応じて適切路線を設定すべきものですので、新植の際にあらかじめ開設しても、まことに使いにくく役に立たない道になるものと思います。