2009年8月14日金曜日

木材自給率50%は可能か?

自民党、民主党のマニフェスト。
木材自給率の目標値。


■自民党
公共施設・住宅から紙・割りばしまで国産材の利用率50%を目指す。
http://www.jimin.jp/sen_syu45/seisaku/pdf/2009_bank_a.html


■民主党 
木材自給率50%を目標として設定
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/index.html


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平成20年の総供給量が7797万m3、国産材用材供給量が1873万m3で、自給率が24.0%。
木材(用材)自給率を50%に上げるには、国産材の供給を約2000万m3増やさなくてはならない。
いつまでという期限が書いていないが、供給量を2倍にする。
それをクリアするためにはどうすればいいのか。


自民党、民主党ともにマニフェストで国産材利用を主張している。
どっちが選挙に勝ってもその方向に進むと思われる。
林業・製材・住宅・製紙など木材に関わる業界は多いが、2倍の供給に対応できる体制をどうやって作るのか、今のうちから考えておく必要があるのではないのか。



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ここで2005年のマニフェストを振り返ってみる。


■自民党
http://www.jimin.jp/jimin/jimin/2005_seisaku/120yakusoku/index.html


042. 森林の環境資源政策・林業対策を積極的に推進
京都議定書目標達成計画の着実な推進を図るため、森林の環境資源面を重視した政策の推進及び、森林の整備・保全、「緑の雇用」、木材利用の拡大等を推進。合法に伐採された木材の利用を推進する枠組みづくりへの積極的な対応。



■民主党
http://www.dpj.or.jp/news/?num=597
10.農業・林業・水産業
(4)10年間で 1000万haの森林を再生(みどりのダムの育成)します。
さまざまな公益的機能をもっている森林を効果的かつ早急に再生するために、 林野行政と環境行政を一体的にすすめます。
 
天然林の育成をすすめ、森林の水害防止効果や地球温暖化防止効果を高めます。治山治水事業を隠れ蓑とした環境破壊型公共事業を縮減し、環境・緑を守る持続可能な公共事業(=みどりのダム事業)に転換させ、12万人の雇用増につなげます。


人工林の管理・充実をすすめ、間伐などの森林整備を計画的に行い、10 年間で 1000万 ha の森林を再生することをめざします。
政権獲得後ただちに年次計画を策定し、初年度に 1000 億円、4年後には 2500 億円の予算を充当します。
また、森林認証制度の推進や公共建築物への一定量の国産材使用の義務づけ、木質バイオマスの推進などにより、国産材の利用推進を図ります。
なお、これらの施策とあわせ、河川の自然再生事業を積極的にすすめます。


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2005年の段階では、特に木材自給率について書かれてはいない。


今国会で自民・公明党が木材利用推進法案を出そうとしていました。
参考:公明党 木材利用推進法案とは
http://www.komei.or.jp/news/2009/0603/14717.html


マニフェストに木材自給率の目標を掲げるのなら、もっと早い段階で法律を通せなかったものか。
現段階では自民・民主・公明が自給率向上に前向きの姿勢。
それだけの議席の賛成があれば、法律を通す機会はなかったものか。



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木材(用材)自給率の推移
http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/pdf/090710-03.pdf
11ページを参照。


S35  86.7%
S40  71.4%
S45  45.0%
S50  35.9%
S55  31.7%
S60  35.6%
H 1  26.9%
H 2  26.4%
H 3  25.0%
H 4  25.0%
H 5  23.6%
H 6  22.4%
H 7  20.5%
H 8  20.0%
H 9  19.6%
H10  21.0%
H11  19.2%
H12  18.2%
H13  18.4%
H14  18.2%
H15  18.5%
H16  18.4%
H17  20.0%
H18  20.3%
H19  22.6%
H20  24.0%



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食料自給率は平成11年に成立した食料・農業・農村基本法により、目標が設定されました。
木材利用推進法案が同じ時期に成立していたら、林業を取りまく状況も変わっていたかもしれません。


法律を通すのにどれだけのロビー活動が必要で、国民の理解がどのくらい必要なのかは推測しにくいので難しい。
国内の林業に関わる人や団体は、もうちょっと政治に関心を持ち、自分達の仕事を広く知らしめることを積極的にしなくてはいけないのではないか。



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