2009年3月27日金曜日

国有林GISの地図をGPSへ入れる試み

国有林にもGISが導入されています。
基本図の電子化が終わった局から順次導入され、平成19年度には全局で使えるようになりました。


現場の森林事務所には、ガーミン社のetrexVENTUREが配布されています。
しかし、白黒で等高線が表示されないので、使い勝手が悪い。


etrexVISTA C(TOPO入り)が手元にあるのですが、等高線が表示されるので断然使いやすいです。
一度使ったら戻れない程の便利さ。
例えるのならば、HDDレコーダーとVHSデッキぐらい違う。


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境界巡視や地況林況調査で山を歩くときは、以下のようにして使っています。


1.GISの地図編集→GPSデータ作成(線)で境界や林小班の線を引く
2.GPS出力でPOTデータとして保存
3.カシミールでPOTデータを開く(複数でも可)
4.編集→GPSデータ編集→全ルートを選択→トラックへ変換
5.GDB形式で名前をつけて保存
6.GPSにアクティブログとしてデータ転送


GPSからGISへのデータ転送は、カシミールで一回保存してPOTファイルとして読み込めば問題なし。
etrexVENTURE以外でも、GISに使うことは出来ます。


マイクロSDの使えないVISTA Cですが、2森林事務所の林道・作業道・歩道・境界などをトラックとして保存すると、保存領域の約50%使います。


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国有林GISにSHAPEデータ変換という機能があります。
試行錯誤した結果、署全体の林小班界、歩道などのシェイプファイルの出力ができました。
(エラーで途中で止まるが、ある程度は成功する。等高線は変換できない)
(GIS業者によると、次回リリースで対応予定らしい)


GPSMapEdit
http://www.geopainting.com/en/
シェイプファイルを加工・重ねるソフト


シェイプファイルをcGPSmapperというソフトでガーミンGPSで使えるimgファイルに変換
http://www.cgpsmapper.com/


そうすれば、GPSで小班界・歩道・作業道・境界が見られるようになるはずです。


色々と試していますが、SHAPEデータ変換エラーとPolish Format (*.mp)の座標がおかしくて、imgファイルに変換できなくて中断しています。


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カラー表示ができて、GPSチップが高感度になったGPSMAP 60CSxかeTrex Vista HCxなら、マイクロSDに地図データを収納できるので、署単位の基本図を見ながら山を歩けるようになる。


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全国の森林事務所数が1256
センター等が91
署・支署・森林管理事務所が120
局が7
(林野庁の事業統計より)


各署に5個、各局に20個、森林事務所とセンターに1個づつ配布するとで合計1996個(約2000個)
日本語版GPSMAP60CSxは99,750円(約10万円)
全国のGPSを総入れ替えすると約2億円かかります。


日本語版GPSは高い。
英語版、台湾版なら半額から3分の1の値段。


2000個というマーケットが林野庁にはあります。
ガーミン本社は台湾版のように日本語版を安く普及させて欲しい。
林野庁があえて英語版を買うという手もあるが、おそらく無理でしょう。


それだけの価値があるか?と問われると微妙ですが、3年ごとに異動する身としては、転勤後すぐに山歩きに使えるアイテムなので、是非導入して欲しいです。


その後の記事があります。



3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして
国有林職員でGIS使っているものですが、
GISからGPS出力でPOTデータとして保存できるとのことですが、保存してもXMLファイルにしかならず、困っています。
やり方を教えていただきたいのですが。
ちなみに、ETREX H を使ってます。
すみません。よろしくお願いいたします。

774RR さんのコメント...

お返事遅くなりました。
自分の場合、このようにしてGISを活用しています。
収穫調査や地況林況調査などに使う、林小班界をGPSに移す方法です。
林道、歩道などをまとめてカシミールのGDBデータにしておくと便利です。
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■GISでPOTファイルを作る
GISの地図編集→GPSデータ作成(線)を選択
地図上で右クリックして「追加」を選択
林小班界などを手作業でなぞる。
まとまった林小班の場合は、数字の8のようにして一筆書きで書く。
描いたGPS線を左クリックして選択(青い線になる)
右クリックして「GPS出力」を選択
「GPSデータ入出力」の別ウィンドウが開く
ルートにRP001ができているので、それを左クリックして選択
RP001の文字の上で右クリックして「GPSファイル書き込み」
「GPSファイルの保存」ウィンドウが開くので、任意のファイル名をつけてPOT形式で保存します。
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↑ここまでは国有林GISで行います。
自分の場合、フリーソフトのカシミール3Dを使い、GPS機器とGISを連携させることが多いです。
http://www.kashmir3d.com/
POTファイルはルート扱いなので、GPSではポイント表記が邪魔ですし、複数のルートを表示したい時に不便です。
そこで、カシミール3Dを使ってPOTファイルをトラック(軌跡)に変換してまとめます。
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■POTを結合してトラックとして保存
カシミール3Dを起動します。
ファイル→開く→GPSファイルで「GPSファイルを開く」を選択すると、「GPSファイルを開く」ウィンドウがでます。
ファイルの種類「すべて」にすると、POTファイルも選べるようになります。
GISで作ったPOTファイルを開きます。
「現在開いているデータに追加して読み込む」のチェックをつけて同じ作業をすると、複数のPOTファイルを開くことが出来ます。
編集→GPSデータ編集を選択し「GPSデータエディタ」ウィンドウを出します。
ルートを全部選択します。
(Ctrl+Aが便利)
右クリックし、変換→トラックへ変換 をします。
ファイル→名前を変えて保存→GPSファイルで、任意の名前をつけて保存します。
(H21収穫調査予定とか、○森林事務所林道歩道とか)
一度GDBファイルを作っておくと、GPSのデータをクリアしてもデータ転送が楽になると思います。
カシミールは、トラックの修正や削除、結合もできます。
衛星受信エラーでトラックがずれた場合、その1点だけを消すこともできます。
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■カシミールからGPSへのデータ転送
通信→GPSへアップロード予約→すべて
「アップロード/ダウンロードリスト」ウィンドウが開きます。
アップロード→すべて
で、データが転送されます。
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■カシミール経由でトラックをGISに反映させる
ver2.3マニュアル6-24以降に詳しく書いてあります。
カシミールを起動
通信→ダウンロード→すべて
カシミールで保存
トラックのエラーを修正、結合などをします。
GISに反映させたいトラックの上で右クリック。
トラックの操作→ファイルへ書き出しでPOT形式で名前をつけて保存。
(測地系はTokyo(GPS)にする)
GISを起動
地図編集→GPSデータ取り込み
ファイル→GPSファイル読み込み
地図に適応して終了
(GPSの線が見えにくければ、カテゴリを林道予定線にする)
こんな感じで使っています。

匿名 さんのコメント...

すみません。
国有林GISが使いづらいので、国有林GIS用の地図ディスクをカシミール上で読み込んで、カシミールのマップカッターでGPS付きのPDAへ転送することは可能なのでしょうか?
カシミールの地図データなら、これが簡単に出来るのですが・・・。